アンセル・キーズ博士

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アンセル・キーズ博士


 

"You are what you eat."   ─あなたの食事があなた自身となる─

 

keys.jpg今日、よい食事をとることと健康が不可分であることは周知の事実です。しかしこの事実が科学的に明らかになってから、まだ50年の月日しか経っていないといえば、多くの人が驚くかもしれません。それは世界中の科学者たちの研究によって明らかになったのですが、1904年アメリカ、コロラド州で生まれ、2004年11月にちょうど百歳で亡くなったアンセル・キーズ博士は、こうした研究の先駆者であり第一人者でした。

 キーズ博士は、狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患と呼ばれる心臓病発症の主要因が血液中のコレステロールであることを、世界で初めて実証した科学者です。さらに、肉やバターに含まれる飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪がコレステロール上昇の原因となることも突き止めました。それでキーズ博士は「ミスター・コレステロール」という名前でも呼ばれています。

 

第二次世界大戦後の1950年ごろ、虚血性心疾患はキーズ博士の母国アメリカで死因のトップであり、深刻な社会問題でした。しかし大戦後のヨーロッパでは、貧困飢餓が続いている間、心疾患は劇的に減ったという現象があり、さらにイタリアなど地中海諸国では、アメリカと異なって、その発症率は低く問題になりませんでした。そうした事実に着目したキーズ博士はその同僚たちと共に、7カ国研究と呼ばれる大規模な疫学研究を開始したのです。

 

その疫学研究は1958年に着手され、ギリシア、イタリア、旧ユーゴスラビアなどの地中海諸国、オランダ、フィンランド、アメリカ、そしてアジアからは日本の7カ国、計16地域から12,000人が参加して行われました。研究開始後10年間で、ギリシアおよび地中海沿岸に住む人々の死亡率(虚血性心疾患、癌など全ての原因を含む)が7か国中最も低く、心疾患に関しては彼らの食生活と関わりが深いという結果が出ました。

 

このことから、肉などの動物性脂肪(飽和脂肪酸)を多く取っている地域の人々は、そうでない地域の人々より虚血性心疾患の死亡(発症)率が高いということ、つまり人は食生活によって早死のリスクにさらされるのだということが明らかになりました。キーズ博士は、心臓病は食事の改善によって避けられるという事実を最初に洞察した科学者でした。そこから地中海地域の伝統的な食事法が注目され、地中海式ダイエットが世界中に広まったのです。


なお、この記事の内容は「美味しくて健康的で太らないダイエットなら地中海式」佐々木巌著、大学教育出版 に詳しく記載されています。


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